平和酒造株式会社 ~おいしい日本酒の飲み方~

おいしい日本酒の飲み方

ひとことで「味」というと単なる味覚をさしますが、「味わい」というと、味覚のみならずうまみ、よさ、趣などを含めて言うことが多い印象を持ちます。プロのきき酒師というものは、自分の好みよりも客観的な評価をするものですが、このページでは、専門的なきき酒の方法は他のサイトにお任せすることにして、さまざまな場面でのお酒の味わい方を提案していこうと思います。

【酒を味わう】
酒も人間と同じように、育つ環境によって様々な性格が出てきます。せっかくお酒を飲むのだから、どこそこの何々が好きだというお気に入りの銘柄を見つけてみてはいかがでしょうか。お気に入りの銘柄を探す過程は、ひいては自分の舌の好みに耳を澄ますことです。そして舌の好みは、いままでの人生で食べてきた様々なものの味や思い出に影響されています。自分の歴史を振り返ることができるようなお酒が、あるのとないのとではお酒を飲む楽しみも違ってきます。
まず目の前のお猪口にお酒を注がれたら、色を見てください。濃淡はどうでしょうか、透明度はどうでしょうか。そして立ち上がってくる香りはどうでしょうか。口に含んだときにの香りはどうでしょうか。口のなかを転がした感触はどうでしょうか。飲み込んだ後に鼻腔に抜けていく香りはどうでしょうか。
味覚に関する表現方法が多ければ多いほど、細かければ細かいほど、舌もそれに併せて鋭くなっていくといいます。お酒好きの方はぜひ、お酒手帳を用意して銘柄と産地と感想を書き留められることをお勧めいたします。お酒はただ飲むのではなく、じっくりと味わって、日常の楽しみのひとつにしてください。

【酒の席を味わう】
よく「お酒が好きなのではなく、お酒の席が好きなんです」という言葉を聞きます。お酒はただ味わうだけではなく、気の置けない仲間うちで酔いに身を任せ語らう楽しみや、冠婚葬祭での厳かさ、家族の団欒、大切なデートといった場面での和みを演出します。古風にひとりでまったりと飲むお酒も素敵ですね。

藤田東湖(1806-1855)の漢詩『瓢やの歌(ひょうやのうた)』に次の一節があります。

瓢兮瓢兮吾愛汝(瓢や瓢や 吾汝を愛す)
汝能愛酒不愧天(汝よく酒を愛して天に愧じず)
消息盈虚與時行(消息盈虚 時とともに行う)
有酒危坐無酒顛(酒あれば危坐し、酒なければ顛す)
汝危坐時我未醉(汝の危坐する時、我いまだ酔わず)
汝欲顛時吾欲眠(汝の顛せんと欲する時、吾眠らんと欲す)
一醉一眠吾事足(一酔一眠、吾が事足る)
世上窮通何處邊(世上の窮通 いずこの辺)

【大意】
ひょうたんよひょうたんよ、私はお前が好きだ。
お前はよく酒を愛するが、酒を愛することは天地に愧じることではない。
お前は常に盛衰の繰り返されるこの世で、時の流れに身を任せてきた。
お前は酒があればちゃんと座っているが、酒がなくなればころぶ。
お前がちゃんと座っている時は、私はまだ酔っていない。
お前が横になる時は、私もウトウト眠くなる。
ヒョイと酔ってスイと眠る。私はそれで充分である。
世間の栄達や困窮のことなど、私の知ったことではない。

上機嫌で酔いながら、酒を入れるひょうたんに絡んでしまうような粋な漢詩です。大らかな気持ちでゆったりと、お酒のある雰囲気を楽しむのも、お酒ならではの楽しみです。

【酔い覚めを味わう】
◆二日酔いを防ぐお酒の飲み方
お酒が「百薬の長」といえるのは適量を守ってこそです。多量のアルコールを飲むと、分解されないまま蓄積し、血中濃度がどんどん高くなっていきます。これが悪酔いのもとです。ゆっくり時間をかけて適度な量を楽しみましょう。また空腹で飲むと胃に負担をかけてしまいますから、飲む前にたんぱく質が取れるもの(冷奴・牛乳・チーズなど)や、生野菜などの水分の多いものをとっておくのも大切です。

◆二日酔いに優しい食事
アルコール分が代謝されないままに更にお酒を飲むと体への負担が増すばかりです。アルコール依存症の原因にもなりかねませんので迎え酒は禁物です。水分をたくさんとり、おかゆなど消化のよいもので胃に負担をかけないようにします。レモンのビタミンCとクエン酸は解毒を早めます。市販のビタミンCの錠剤も二日酔いに効きます。大根に入っているジアスターゼは胃壁を保護し解毒も助けますので、大根おろしにして料理に取り入れてください。また、二日酔いの頭痛にはカフェインが効くといわれています。胃を荒らさないようにミルクコーヒーにして飲んでください。胃の粘膜を修復させるタンニンは日本茶や柿に多く含まれています。いずれにせよ、二日酔いになってしまっては苦しいばかりですので、適量を守ってお楽しみください。